2019年7月29日月曜日

16.初めての三段論法ほか

子育てというのは、生やさしいものではありません。
生まれたときは「健康に育ってくれさえすれば、それでいい」
などと思っていたのに、だんだんそれが揺らいでくる。
(もちろん健康に育てるだけだって大変です。)

子どもは、親の思うとおりには育ってくれません。
そう、子どもは親の思う通りには育たないものなのです。

子どもは親とだけ生活しているわけではありません。
きょうだいと遊んだり、TVを見たり、一人で遊んでいるときだってある。
それに、子どもは家の中だけにいるのではないのだから。
保育園にも行ってるし、近所のお兄ちゃんとも遊ぶ。
大家さんにおやつをもらったりもする。

子どもは、そのそれぞれの経験の中で育っていく、
そう思って子どもの成長を観察していると、なかなか面白いものです。
親の気持ちにもゆとりが生まれます。


◆初めての三段論法


食事開始から30分あまり。皿の上にはおかずがまだかなり残っています。
食べるのに飽きたのか、立ったり座ったり。そして遊んだり。

 私 「こうちゃん、ちゃんとおすわりして食べなさい!
耕平 「あのねえ、こうちゃん、ちいちゃいの」
 私 「そうね」
耕平 「だから、たべられないの」 私にすりよる耕平。
耕平 「だから・・・」
 私 「ん?」
耕平 「おかあさん、食べさせて」 私の膝の上に座り込む耕平。

耕平、いつの間に獲得したの? 三段論法!!
耕平、3才1ヵ月。


◆逆 襲


私の電卓を持ち出していたずらしている耕平に聞きました。
「ねえ、こうちゃん、何やってるの?」
耕平、こちらを見向きもせずに、そっけなく言います。
「いま、ボクおしごとしているんだから、ちょっと聞かないでね」

少し前のこと、私の仕事中に耕平があれこれ質問してうるさかったので、
「いま、お母さんお仕事してるんだから、ちょっと聞かないでね」
と言ったのを覚えていたようです。

耕平、3才6ヵ月。


◆よく見てる


家族そろって食事中のこと、ひじをついて食べるかおる。注意する夫。
「なんでいけないの?」と聞くかおる。
夫、答えにちょっと詰まる。
かおるに説明する私。マナー及び食事中の姿勢と健康との関係について。
「わかったか、かおる」と夫。
するとかおるはすかさず言う。
「お父さんは、いつも『わかったか』しか言わない」
絶句する夫。
かおる、5才8ヵ月。


   ☆   ☆   ☆   ☆   ☆

子どもは、身体だけでなくその内面も、日々成長しているのだなあと思います。
「親の言う通りのことしかしない子なんて面白くない」
「今日は何をしでかすだろうか」ぐらいの気持ちで見ていると、いろいろな発見があります。
親がそういう気持ちでいると、子どもものびのび行動するように感じられます。