≪1989年3月 : かおる3歳11か月≫
『お手伝い』、これが今かおるが一番気に入っている家の中での遊びです。
『お手伝い』にも『お料理』『お掃除』『お裁縫』といろいろあるのですが、一番好きなのは、『お料理』です。これは、自分の力を発揮したという実感が一番あって、なおかつ味見ができるからです。くいしん坊のかおるにとってはたまらないところです。
かおるが一番初めにつくったのがスクランブルエッグでした。卵をかきまわして、熱くしたフライバンの中にあけ、ハシでかきまわします。あっという間に黄色くふわふわしたスクランブルエッグができました。おとうさん、おかあさんにおいしいと言われ、かおるは大満足です
三才の子供に火を使う料理はあぶないかなと、最初は多少心配でしたが、かおるがあまりやりたいとせがむので根負けしてやらせてみたのですが、予想以上に注意深くやるのです。そして、このごろ口答えをするようになってきているかおるが、やりたい一心でかわいそうになるくらい私の言うことを素直に聞きます。
野菜いため、ギョウザ、ヤキソバ、チヤーハン、カレーライス。
先日はフライにも挑戦しました。魚に小麦粉をつけて卵の中にひたし、さらにバン粉をつける。それをお手伝い熱した油の中にそうっと入れる。きつね色に揚がったのを長いはしでとりだすのは少し難かしかったらしく、だいたいは私がやりましたが、ほぼ全工程にわたって手がけました。
鍋にさわりそうになったとき、ついどなったりしましたが、かおるは面白さでいっぱいで、そんなことは少しも気にならなかったようです。
皿に並べたフライを眺めてかおるは実に満足そうでした。
そして、ニコニコしながらいうのです。
「いつでもお手伝いしてあげるからね」
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ここに書かれた『お手伝い』は、義務感の伴ういわゆる『お手伝い』とはちがいます。
『お手伝い』という名の遊びと言った方が良いのかもしれません。
子供にとって一番楽しいのは、自分の能力をせいいっぱい使って何かをつくりあげたという実感のあることのようです。それが『最高の遊び』なのでしょう。
かおるは今でも料理が好きで、忙しい合間にも楽しみながら作っています。(そう上手だというわけではありません。それは手本とする対象が名人というわけではなかったので、仕方のないことです。)
お手伝いということでなく、一緒に楽しくやること。家の中のいろいろな仕事を遊び感覚でやる工夫をする。これは結構手間もかかるし、注意も必要なので面倒なのですが、あるところまで行くと自分でどんどんやるようになるので、それからはずっと楽になります。料理以外ももっと力を入れるべきだった・・・、後悔先に立たずです。
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